東京湾は、変な臭いもなく かなりきれいになっています。
「そんなことないよ まだまだ 汚れてるよ」
とお思いのあなた
この映画をみたら卒倒するかもしれません。
今回、ご紹介する映画は、「ゴジラ対ヘドラ」(1971年製作)
ゴジラ映画 11作目のゴジラ対決シリーズです。
子供向けにつくられた怪獣映画とは思えないほど社会派ドラマ仕立てになっているだけではなく昭和の負の部分を描きだした貴重な映像として楽しめる作品です。
では、今夜ものんびりとお楽しみください。
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ゴジラ対ヘドラ 基本情報
■タイトル:『ゴジラ対ヘドラ』
■監督:坂野義光
■脚本:馬淵薫、坂野義光
■製作:田中友幸
■撮影:真野田陽一
■特殊技術:中野昭慶
■脚本:馬淵薫 坂野義光
■美術・ヘドラデザイン:井上泰幸
■着ぐるみ造形:安丸信行
■音楽:真鍋理一郎
■主題歌/挿入歌
「かえせ!太陽を」
作詞:坂野義光、作曲:眞鍋理一郎、編曲:高田弘、
歌:麻里圭子 with ハニー・ナイツ&ムーンドロップス
■日本映画|COLOR
■上映時間:85分
■初公開:1971年7月24日
■配給:東宝
■主な出演:山内明、柴本俊夫、川瀬裕之、麻里圭子、木村俊恵
坂野義光は、監督昇進第一回作品となります。
あらすじ(ネタバレなし)
ヘドロに汚染された駿河湾で「巨大なオタマジャクシのような生物」が目撃された。
海洋学者の矢野博士は、この生物と日本近海で頻発しているタンカー事故の関係を疑い自身で駿河湾で潜水調査中に「巨大なオタマジャクシのような生物」と遭遇 大きなダメージをウケてしまう。
その予感は的中
湾岸工業地帯に巨大オタマジャクシの成長形、公害怪獣ヘドラが上陸した。
矢野博士、自衛隊そしてゴジラは、ヘドラと戦いをはじめる。
映画化
1970年代は、大阪万国博覧会が開催され 高度経済成長で日本中が活気だっていた。
戦後の影も薄くなり、学生運動も下火になり始めたころの急成長する日本(というか世界もです)の影の部分が急速に問題になってきた。
公害である。
工場、ゴミ、汚水処理など 今のように規制も整えられていなかった1970年代 海、空、陸地も想像できないほど汚されていました。
工場からは、危険物質が吐き出され、排水からは、水銀、窒素化合物をはじめ 人体に極めて危険なものが垂れ流されていた。
そのため海は、ヘドロがあ堆積 背骨の曲がった魚など生態系にも大きな影響が出ている状況
社会問題となってきた公害から生まれたへドラとゴジラという核実験で登場してきたモンスターの対決が企画された。
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へドラ
「ゴジラ対ヘドラ」の最大の魅力は、へドラの怪獣デザインである。
「オタマジャクシのような生き物」と書いてきましたが、巨大な真っ赤な目と ドロドロとした姿、登場時より巨大化し、最期には、空を飛行するという モンスターっぷりは、これまでの怪獣の概念を大きく打ち破るものである。
へドラのエネルギー源は、公害物資
危険物質を吐き出している工場の煙突の煙を吸って進化するなど さすがのゴジラも厳しい戦いになった。
「かえせ!太陽を」
映画のオープニングソングで「ゴジラ対ヘドラ」が『タタモノでない映画』であることを予感させた。
「かえせ!太陽を」
作詞:坂野義光、作曲:眞鍋理一郎、編曲:高田弘、
歌:麻里圭子 with ハニー・ナイツ&ムーンドロップス
“水銀 コバルト カドミウム♪”
歌詞の内容でこの時代がいかにイカれていたかを表している。
サイケデリックな世界が予見されるこの歌は、映画のシーンの中にも展開されている。
公害ニッポン
現在のクリーンな令和の子供達が同じ世界にタイムトリップしたら 即死しかねないほど 物理的に汚れている社会である。
海の描写がオーバーと感じる人がいると思いますが、決してオーバーではありません。
よく「中国はこれだけヤバい」と動画で色の変色した河川が映し出されていますが、近い状態のところもあったのでこの当時に生きてきた人にとっては「笑うに笑えない状況」だと思います。
自分が子供の頃に住んでいた 茨城県の田園地帯でも
「本日は、光化学スモッグ注意報が出ているので 校庭に出ないようにしましょう」
なんて放送がされていたぐらい 日本中の空も汚れていたのです。
映画のシーンで学校の体育の時間にへドラが上空を飛行 有害物質をまき散らしたため 生徒達が倒れて行くというシーンがありましたが、実際に光化学スモッグで40名以上が病院へ運ばれるという事件が発生しています。
海や川は、汚染物質に塗れ、プラスチックごみが堆積、ドロドロとした物質が浮いていたり 泡立っていたりしていました。
この影響で公害病がいろいろなところで発生しおおきな社会問題となっています。
みどころ
みどころ満載ですが、絞ってご紹介します。
へドラ
ヘドロが集まって 真っ赤な目を持ったヘドロは 汚染物質をまき散らし人や動物を白骨化してゆくという地獄絵図が展開されます。
また、あらゆる構造物を腐らせ、空を飛びながら有害物質をまき散らします。
怪しげな光線や身体の一部を相手にぶつけて腐食させるなど 攻撃力も強い
空を飛ぶときは変形するところなど興味深い。
ゴジラと戦った怪獣達の中でもキングギドラに並ぶ強敵であることは間違いない。
ゴーゴー喫茶
クラブ、ディスコより 前の時代 ゴーゴー喫茶なるものが街に存在していました。
サイケデリックなロックバンドのキレ味、シュールな映像、テーブルの上で踊る女性とボーカル
無軌道・無関心・無責任な「しらけ世代」と呼ばれた青年達
もちろん音楽は、「かえせ!太陽を」のアレンジ版
公害のような淀んだ雰囲気を楽しむことができます。
なぞの絵コンテ?
映画の中でへドラを紹介?するような アニメというより絵コンテっぽい映像が挟まれている。
斬新な映像で 絵コンテに出てくるへドラが妙に可愛いと思えるのは自分だけでしょうか?
海洋学者の矢野博士
矢野博士の自宅が研究室になっているのも面白いのだが、試験管に小さなへドラを入れてシャーレに移し、2匹の小さなへドラが合体するのを観察するぐらいで実験と言っても小学校の理科室で行われるようなもの
画期的?な へドラ対策を発見し 自衛隊と協力する現場に出向くのだが、へドラに襲撃された傷が癒えず 奥さんに運転して行くのですが、バンの貨物室にパジャマ姿で布団で寝ながら運ばれるというのもシュール過ぎる映像だった。
しかもゴジラ対へドラの戦いをバンの布団のなかから観ているという??? ムムムな状況
車椅子でもよかったのではないか?
影の薄いゴジラ
何の前触れもなく いきなり登場するゴジラ
へドラに圧倒され負け続けるというへ垂れっぷり 影が薄いので 放射能を吐きながら空を飛ぶという奇策を披露するあたり、「主役は渡さないぞ」という気迫が面白い。
シン・ゴジラのように「なぜ ゴジラが出現して東京に向かうのか?」なんて 謎解きもなにもないのも昭和のゴジラっぽい。
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1970年代の社会の公害問題、当時の若者達の行動とか風俗を移した記録映像としても面白く仕上がっている。
映画のスピード感が、全盛期のマラドーナのような緩急自在なドリブルのようで置いておかれたり イライラするかも知れませんが、そこも含めて楽しめる映画だと思います。
もちろん 映画というファンタジーですから 「そんなことナイナイ」なんて 突っ込みをやめて楽しみましょう。
ゴジラ対ヘドラ(1971年製作)
これまでのゴジラ作品とまったく違った作品なので シン・ゴジラやゴジラ -1.0とまた違う面白さがあると思います。
amazonnプライムビデオで「ゴジラ対ヘドラ」が見放題になっているのでぜひご覧下さい。
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