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死傷者多数 超人野球漫画 アストロ球団

アストロ球団 昭和の壺

1970年代の少年ジャンプは、令和の時代では想像もできない恐ろしい人気でした。
推定発行部数600万部という驚異的な数字をたたき出し、多くの伝説的漫画を残してきました。

「ど根性ガエル」「ハレンチ学園」「トイレット博士」「リングにかけろ」「侍ジャイアンツ」「マジンガーZ」「包丁人味平」「キン肉マン」「サーキットの狼」「ドーベルマン刑事」「こちら葛飾区亀有公園前派出所」も1976年から連載開始でした。

昭和の子供達なら誰でも知っている 光り輝く少年ジャンプの漫画の数々

その中で極めて異彩をを放っていた伝説の野球漫画がありました。

今回の昭和の壺は、
死傷者多数 超人野球漫画 アストロ球団をご紹介します。


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野球漫画は少年漫画の看板でした

その昔、少年漫画各誌に野球漫画が連載されていました。
スポーツと言えばプロ野球しかない という昭和の時代
漫画の世界も野球ものがあふれていました。

例えば
元祖魔球「誓いのエース」
実録「金田正一物語」
努力と根性「巨人の星」
魔球博覧会「侍ジャイアンツ」
金字塔「ドカベン」
青春「タッチ」
感動「キャプテン」
再放送不可能「アパッチ野球群」
女子プロ野球選手「野球狂の詩」
水島先生ライフワーク?「あぶさん」

数えればキリがないほど名作がありました、

その中で一際異彩を放っていたの野球漫画が「アストロ球団」です。

新ジャンル「超人野球」

アストロ球団は、1972年~1976年にかけて「少年ジャンプ」で連載されていました。
原作:遠崎史朗
作画:中島徳博
掲載:少年ジャンプ
期間:1972年 39号~1976年 26号
話数:全183話
単行本:全20巻

架空の球団 「アストロ球団」が打倒「読売巨人」を目差して ヤバい球団と死闘(字のごとく死闘)を繰り広げるというストーリー

当時の小学生には、大人気で「マネをして怪我」なんて よくありました。

あらすじ アストロ球団は、南総里見八犬伝なのだ

戦争中、沢村栄治から野球を教わった少年 フィリピン・レイテ島の出身のシュウロが、戦後事業を成功させ
沢村栄治の魂を受け継いだ9人の超人を探し 超人野球チームを結成し打倒 読売巨人を目標に ヤバそうな球団と命をかけて戦いを繰り広げるという話がベースとなります。

このシュウロですが、世界中に銀行などの事業を展開、アストロ球団設立のために事業を行ったという半端ないスケール

私球団のために新宿に15万人収容の球場を建設
結局この球場は「たった1試合(ビクトリー球団)」しか使われませんでした。

「9人の超人は体のどこかにボールのあざがある」
もうおわかりですね
「アストロ球団は、南総里見八犬伝の剣士が野球をやっているとお考えください」

現代語訳 南総里見八犬伝 上 (河出文庫 古 1-2)
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球団の目標は、打倒、巨人軍そして大リーグなんですが、巨人軍と戦う前にプロ野球連盟に加入しなければなりません。
その前哨戦として「ヤバい敵?いや 球団」と戦うことになります。

アストロ球団が試合をしたのは

  1. ブラック球団
  2. 金田監督率いる ロッテオリオンズ
  3. ビクトリー球団

4年近い連載で3試合で漫画が終焉となってしまいました。

なんという「キャプテン翼」とか「弱虫ペダル」状態

巨人の星で15分に1球なんてありましたが
「一回の連載でバッターボックスまで到達しない」ということもありました。

そこには「命をかけた男達のドラマ」が子供達の脳に突き刺さるような迫力があったのです。


超人野球

基本 アストロ球団の選手は、超人です。
超人で身体のどこかにボールのあざがなければ選手登録もできません。

なんと厳しい球団テストなんでしょうか?

さて「超人」これが、非常にあいまいでした
常人を超えた「パワー」「跳躍力」「格闘技術」「命を捨てるど根性」と言ったところでしょうか?

共通するのは、「超人としての意地と根性」です。
言葉を変えると「野球に生命までかけてしまうバカ」ということになります。

一人だけ桁外れの男がいます。

伊集院球三郎
元レーサー、一度死亡したが、とんでも設定で蘇り、視力を失うも超人的な能力で心眼で常人以上の活躍、女性のような風貌で女性ファンを獲得、このキャラの成功でジャンプは、以後、別の漫画でも同じようなキャラ設定が増えた(例えば:せいんとせいや?他)



魔球と魔打法と魔守備

これまで魔球が登場する野球漫画は多数ありました。
巨人の星の「消える魔球」などは、エポック社が野球盤ゲームに速攻で取り入れたぐらい革命的な物です。

【日本おもちゃ大賞2017 ボーイズ・トイ部門優秀賞】 エポック社(EPOCH) 野球盤 3Dエース オーロラビジョン
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エポック(EPOCH)

アストロ球団の超人達は、「そんなぬるい魔球」ではありません。
なにせ 人類を超える超人ですから それは想像を超えるものでした。

主な魔球

  • 三段ドロップ
  • スカイラブ投法←注目
  • 七色の変化球
  • ファントム大魔球
  • ファイナル大魔球

「三段ドロップ」なんて 星飛雄馬なら投げられそうですが、自分の手のひらをドリルで傷を付けて異常な曲がり方をする「七色の変化球」なんて 執念としか言えないボールです。

ぜんぶ尋常じゃないのですが特に「スカイラブ投法」は注目です。
まじですごい魔球なのですが、簡単に破られてしまうという寿命の短さ
相手も超人なので仕方がありません。

巨人の星のような、魔球の理論など気にしてはいけません。
一応、説明されるものもありますが、素直に感動しましょう

打法

  • ジャコビニ流星打法
  • コホーテク彗星打法
  • アンドロメダ大星雲打法
  • 水爆打法
  • 飛燕活殺円法? なんでしょう

これも半端なく凄い!というかメチャクチャです。

ジャコビニ流星打法は
「バットにヒビを入れて打つことでバットの破片とボールが一緒に飛んで行く」
という危険極まりない打法で ボールをバットの破片で隠す という効果がありました。

コホーテク彗星打法、アンドロメダ大星雲打法 とか名前と打球の背景の星が違っているだけで何が違うのでしょうか?
まぁ そんなこと 関係なく 熱く語れるわけなので いいんです。

守備
なんと言ってもこれが凄い!

人間ナイアガラ
→守備と言うのだろうか?
どう考えても 殺人技としか思えない
→この作品での最大の見せ場だと思っています。

敵キャラ

敵キャラがまた光り輝いています。

伊集院大門

この物語の軸となる人物 弟(球三郎)との葛藤が見所です。
侍ですね彼は、最期には「陰腹」でバッターボックスでホームランを打って死亡という壮絶な最期を遂げます。

バロン森
風貌と違ってメチャ男気ある魅力的なキャラです。
物語終盤に出てきて、最後にすべて持ってゆくという活躍

氏家慎次郎
個人的に好きなキャラクター
基本デッドボールで打者を抹殺するという投法です、
戦後が続いていることを感じさせられます。
最後の1投は、大注目です。

川上哲治
この漫画では、この時代の巨人は、巨人中心の野球界というのがにわかるような感じです。
アストロ球団と試合をしたくないため画策したり ちょっと 姑息なイメージ

・金田監督
 アストロ球団と巌流島で無観客試合をするという破天荒なキャラクター
ロッテ球団なのに超人を入団させて戦うという 序盤の盛り上がる試合です

まとめ

どうですか?
ここまでの情報で読んでみたくなりませんか?

そこらへんの生ぬるい野球漫画など レベルが違います。
特にビクトリー球団との死闘(まじで命かけてます)は、死傷者多数 もはや野球ではなく命の削りあい

子供のころに読んでいたときの感覚とおじさんになってからの感想は違っていますが、作者の魂というか執念が生み出した傑作漫画です。

また、「盲目の美男子」というキャラクターを登場させたことによって、女性購読者層を大幅に拡大した漫画で
この後に続く「リングにかけろ」などに影響があると思われます。

最近の漫画にはない、泥臭さ、圧倒的な作画の熱量が凄いです。
若い世代には、この「世界一ぶっとんだ野球漫画」を感じて欲しい。

連載当時と今では、差別用語など規制が違うため、原作を読むのは難しいかなと思ったのですが幸運なことにまだ読めるところがありました。

「アストロ球団」は、ここで購入できます。



アストロ球団は、ebookで購入できます

電子版なのでかさばらないのでスマートフォンで読むのにもいいかもしれません。



昔は、作者も命を削って漫画をかいていたんだなと実感します。

DVDもあります!
2005年に実写版が放映されました。

原作と微妙に違っていますが、思った以上に忠実にドラマ化されています。
こちらも興味がありましたら御覧ください。

アストロ球団 第1巻 [DVD]

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