昭和のヒット曲というのは不思議である。
「どんなに唄がうまい歌手」
でも楽曲に恵まれなければヒット曲にはならない。
「どんなに素晴らしい楽曲」
でもタイミングや歌い手が合っていないとヒットしない。
「子供番組の挿入歌」
なのに500万枚を超えたりする。
今週は、あのヒット曲を唄った太田裕美です。
雨だれ
1973年
デビューのきっかけは、オーディション番組『あなたならOK!』に出て優勝してチャンスを掴む
渡辺プロと新人養成契約を結び、西銀座のライブハウス「メイツ」でピアノ弾き語りを始める。
アイドル 天地真理とほぼ同時期で事務所も同じ、渡辺プロダクション
1974.11.01
太田裕美は、雨だれでデビューした。
雨だれ
作詞:松本隆 作曲:筒美京平
編曲:萩田光雄
作詞・作曲・編曲の3人が、この後 太田裕美を支えてゆく
この唄は、正直、暗いイメージで天地真理の明るさと対象的であった。
1975年には、「たんぽぽ」「夕焼け」とシングルを出すが、あまり売れなかった。
その年の暮にその唄が誕生した。
木綿のハンカチーフ
1975年12月21日 「木綿のハンカチーフ」発売
累計売上枚数は、オリコンの統計では86.7万枚
ミュージック・リサーチ社の発表では150万枚以上
しかし、一位にはなれなかった。
1975年12月25日に急遽発売された「およげたいやきくん」は、累計 500万枚を超える史上最大のヒットとなった。
しかし、「木綿のハンカチーフ」は、売れた。
ラジオでも盛んにこの曲は流れ続けた。
木綿のハンカチーフ
作詞:松本隆 作曲:筒美京平
編曲:萩田光雄、筒美京平
都会(東京?)に出た男性と故郷に残る女性との遠距離恋愛がテーマで二人の手紙の上のやり取りを対話形式で歌詞にしたもので最後まで聴かないと曲のタイトルが歌詞に出てきません。
最初の1番だけでは、なぜ「木綿のハンカチーフ」なのか意味がわからない。
この故郷に残る女性というイメージが、太田裕美に合っていたのもヒットの要因だと思う。
可憐な少女が訴える悲しいストーリーです。
こんなこと言われたら 自分なら 速攻で彼女の元に帰ります・・・
赤いハイヒール
「木綿のハンカチーフ」という大ヒットの翌年 1976年「赤いハイヒール」発売
ミリオン・セラー(100万枚以上)というヒットとなった。
2曲連続のミリオンセラーは、太田裕美をトップシンガーとなった証拠である。
でも、一位にはなれなかった。
当時のオリコン1位は、山口百恵の「横須賀ストーリー」だった。
この楽曲は、作詞:松本隆 作曲:筒美京平 編曲:萩田光雄という3人で、
作詞:松本隆 作曲:筒美京平 の二人は、
「これ以上の曲はかけない」
と言われた楽曲であった。
「赤いハイヒール」を聴いてみよう。
今度は、「木綿のハンカチーフ」の少女が都会へと出てきたというストーリー
彼女の独特な声と歌い方が、曲に合っている。
同じ「赤いハイヒール」でもピアノの弾き語り
少し大人の「赤いハイヒール」もぜひ聴いてほしい。
九月の雨
1977年9月に発売された、太田裕美の9枚目のシングルで「木綿のハンカチーフ」に続き紅白歌合戦にもこの楽曲で出場
九月の雨を聴いてみてください。
作詞:松本隆 作曲:筒美京平 編曲:筒美京平
おなじみの2人の楽曲
故郷から都会に出てきた少女が、いつもなみ悲しい恋を経験しながらか大人の女性になって行く
個人的には、一番好きな唄です。
木綿のハンカチーフから赤いハイヒールそして九月の雨と太田裕美の少女から大人の女性へと繋がって行くストーリー 作詞:松本隆 作曲:筒美京平 の小説のような3曲である。
失恋魔術師
太田裕美は、ヒット曲を続ける。
これまでの曲と違って明るくポップな楽曲
夜のヒットスタジオに出演した失恋魔術師を聴いてみましょう。
1978.03.21発売のこの曲は、
作詞:松本隆 作曲:吉田拓郎 編曲:萩田光雄
む! 吉田拓郎? これまでのストーリーから別の物語がはじまる
さらにヒットが続く
南風 – SOUTH WIND
麒麟麦酒(現・キリンビバレッジ)「キリンオレンジ」のCMソングで11万枚のヒットとなった。
「南風 – SOUTH WIND – 」(みなみかぜ – さうすういんど – )を聴いてみよう
1980.03.21発売
作詞:網倉一也 作曲:網倉一也 編曲:萩田光雄
おなじみ「ドリフターズ全員集合」の映像です。
作詞作曲が変わり、CM曲らしい明るい。
さらばシベリア鉄道
作詞:松本隆 作曲:大瀧詠一
大瀧詠一が、女性の立場の歌詞で歌うのを拒んだので急遽 太田裕美が歌うことになった。
個人的に結構好きなんだよね
さらばシベリア鉄道を聴いてみよう
ちょっと贅沢な 「さらばシベリア鉄道」
なごみーず
2004年から太田、伊勢正三(元かぐや姫)、大野真澄(元ガロ)の3人でユニット「なごみーず」結成
『アコースティック・ナイト』コンサートは、大人のコンサート
「君と歩いた青春」 太田裕美・イルカ・伊勢正三
聴いてほしいアルバムです。
歌い続ける太田裕美
木綿のハンカチーフ 太田裕美 本田美奈子 岩崎宏美
なんて素敵な3人なんだろう 涙が出てきます。
最後に太田裕美40周年ライブ「音楽と歩いた青春」2014/09/10を聴いてみよう。
デビュー当時と変わらない太田裕美がそこにいる。
これほど多くのヒット曲をもつ歌手は珍しい。
そして、独特の声と歌い方に惹き込まれてしまう。
いつも思うけど、歌い続けてくれる歌手は、年を追うごとに魅力を増してゆく
多くの素晴らしいクリエイターに支えられてきたこともあるだろうけど そのクリエイターに愛された太田裕美
太田裕美 = 青春 と懐かしんでいるご同輩 彼女の歌を聴き直してみよう
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